永学堂株式会社

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Yuya Wakamatsu

メンタルコーチング × 総合格闘家 若松佑弥選手

衝撃の1R TKOで ONE championship フライ級 MMA世界王者に輝いた
総合格闘家の若松佑弥選手にインタビュー!
「思考のクセ」を変えれば結果が変わる。
メンタルコーチングによる「心の整え方」とは?
若松 佑弥(わかまつ ゆうや)プロフィール
1995年生まれ。鹿児島県薩摩川内市出身。
幼少期にステゴロ世界最強になることへの願望を持つ。
中学時代地元のボクシングジムに通い、以降10代は大工や鳶職をしながらステゴロ世界最強への想いを喧嘩で発散する日々を過ごす。
18歳で本物を求めて上京。PRIDE全盛期に“殺戮ピラニア“として格闘技ファンの心を熱くした長南亮が主宰する総合格闘技ジム「TRIBE TOKYO M.M.A」の門を叩く。
20歳でプロデビュー。デビューから9勝8KOという高成績を収め、2016年にはパンクラス・フライ級トーナメントで優勝。全試合KO勝ちでMVPを獲得。
2018年、ONE Championshipと契約。2025年3月23日にさいたまスーパーアリーナで行われたONE172でアドリアーノ・モラエスにTKOで勝利し、世界王座獲得。
現在、ONE Championshipフライ級 MMA世界王者。
毎日が自分との戦いであり毎日自身に勝つことを是とし、少年の頃に抱いた世界最強を目指し続けている。
若松 佑弥 公式サイト

アスリートメンタルコーチングとの出逢い

若松佑弥選手がメンタルの重要性を感じたのはどのようなタイミングでしたか?

2022年の王座挑戦に敗れたあと、11月に復帰戦があったんですが、相手の体重オーバーでキャンセルになり、スライドした試合で今度は自分が計量で失格したりして連敗したときですね。当時は自分の中で「やるべきことは全部やった」という手応えがありながら、結果に結びつかないという葛藤がありました。「ここまでやるべきことをやったのになんで勝てないんだろう?」って。試合でも、自分のペースで進んでいたのに最後の最後で獲り切れない。そこで何が問題なんだろうと考えたときに、自分の内側の心だったり、人としての在り方だったり、といった部分に課題があるんじゃないかと気づいたんです。

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若松佑弥選手

そこからアスリートメンタルコーチングを知った経緯を教えてください

精神面を鍛えるために、UFCファイターの中村倫也君と「一緒に滝行でもやってみようか」という話になり、行きの車中で、倫也君からメンタルコーチングを受けて劇的に変わったと聞いたんです。内容も、今まで自分が取り入れたことのないトレーニング方法を導入していて。それを聞いて自分の中で「これだ!」と感じるものがあり、その場で「メンタルコーチを紹介してもらえない?」と聞いて慶人さんを紹介してもらいました。

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若松佑弥選手

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アスリートメンタルコーチ

慶人

DMをもらって、まずはZoomで話をしました。若松選手の第一印象について、とても「真っ直ぐな情熱」を持った人だと感じました。イメージとしては「侍」に近いですね。同じ格闘家の中村倫也選手とは性格もファイトスタイルも違いますが、2人とも根底の部分は共通しているものがあるとも思いました。

慶人さんとZoomで直接話したとき、自分の中で「ブレイクスルー」が起きたのが分かりました。最初に自分の胸の内にある思いを伝えたんですが、それに対して慶人さんから言われたことが、今まで全く自分になかった視点からの意見で。それを聞いた瞬間、新しい風が吹いて視界がパッと開けたというか……。それで、すぐに「この人にお願いしたい」と思いました。

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若松佑弥選手

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アスリートメンタルコーチ

慶人

若松選手の話を聞いて、本人が心の中でネガティブな要素と対峙しながらも、折れずに自分なりの答えを必死に探し求めているというのが伝わってきました。それと同時に、このような芯のある選手がメンタルコーチングを受ければ、必ず成果が出ると感じました。

アスリートメンタルコーチングがもたらした効果について

ご自身が直面していた課題や、コーチングによってどのように改善したかを教えてください

当時は完璧さを追求しようとして、自らのマイナス面ばかりにフォーカスしまうことが多々ありました。それがクセになってしまって、調子が良いいときでも無意識に「あら探し」をするようになっていたんです。わざわざ自分で不安を探しにいっているような状態だから、自信を持っていいはずの部分でも自信が持てない。それが重なって、徐々にネガティブ思考のスパイラルに陥っていました。

 

そこで、慶人さんと最初に取り組んだのが、自らの頭の中身を全て「見える化」すること。例えば、サプリメントや食事、練習の内容、家族との時間、スポンサーとの関係、試合前の準備、実家のこと、指導している選手のことなど……ふせんやノートに思いつくことを全部書き出したら、自分が気になっていることが山ほど出てきて。さらに、そこから「コントロールできること」「今はコントロールできないこと」に分類して、現時点でコントロールできないことに時間を費やすのをやめました。

 

この作業を始めてから、常に思考がデトックスされているような感じで、練習にも格段に集中できるようになりました。さらに、プライベートでも小さな問題に振り回されることが少なくなりましたね。いい具合に「余計なことはいったん横に置いておいて、今できることだけにフォーカスしよう」と考えられるようになったんです。

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若松佑弥選手

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アスリートメンタルコーチ

慶人

解決の糸口が見えずモヤモヤしたままだと、練習にも集中できなくなり、結果としてパフォーマンスも下がってしまいます。そこで毎日、ふせんやノートに思考を書き出しながら自分と対話することで、「これは今気にすることじゃない」と線引きができるようになり、目の前のトレーニングにしっかりフォーカスできるようになりました。

セルフコーチング : 付箋やノートを使いながら『思考を見える化』して課題を整理していく

ほかにはどのようなコーチングを受けましたか?

ひとつの出来事に対して違う角度から捉える「リフレーミング」も実践しました。以前なら試合中にジャブをもらっただけで「あーもらっちゃった……」と、落ち込んでいましたが、今は「ジャブをもらったということは、相手との距離が今このくらいなんだ!」と、冷静かつ前向きに捉えられるようになったんです。ネガティブに捉えていたことも「実は自分にとってプラスかもしれない」と考えることで、試合の中でピンチが逆にチャンスに変わる瞬間も増えました。

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若松佑弥選手

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アスリートメンタルコーチ

慶人

これはネガティブなことから目を背けているわけではなく、事実をしっかりと受け止めた上で、多角的な視点から異なる捉え方をしているということです。事実の捉え方が変われば、意識の向け方も変わる。結果、思考が変わるから心の状態もコントロールできる。そうすれば、どのようなシチュエーションに遭遇しても本来の実力を発揮しやすくなります。

2025年3月、モラエス選手に完勝しましたが、一度敗れた(2022年に対戦し3R一本負け)相手ということで、何か対策はしたのでしょうか?

僕、実はモラエス選手だけじゃなくほかの選手にもリベンジしていまして(笑)。キンガッド選手という6年くらい前に敗れた相手なんですが、2024年に再戦して勝利しています。そのときにも慶人さんからコーチングを受けて、対策を立てて臨みました。「相手から見た自分」をシミュレーションしながら、相手が何を考えているか、どこを狙っているか、すべてノートに書き出して。また、試合の映像を見ながら相手をイメージし、毎日頭の中で戦って……それを何百回も積み重ねていくことによって、当日対峙したときには不安や恐れがゼロの状態でしたね。もはや「無」に近い感じで、本当に何も考えずに「あれ、体が勝手に動く」という状況になっていました。

 

そのときの経験があったので、モラエス選手のときも、勝つためにすべきことがクリアに見えていて、あとはそこに集中して取り組むだけ、といった状況でした。

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若松佑弥選手

慶人さんはモラエス選手と再戦するためにトレーニングする若松選手を見ていて、どの時点で勝利への手応えを得られたのでしょうか?

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アスリートメンタルコーチ

慶人

本番2週間前に会ったときにはすでにリラックスしていて「仕上がっている」と感じました。実際に試合中も最後までずっと冷静で、戦略の通りに自らをコントロールして戦っていましたね。とはいえ、あれほど早く試合が終わるとは思わなかったです(笑)。

アスリートの世界におけるメンタルコーチングの可能性について

ご自身の経験を踏まえて、アスリートの世界でメンタルコーチングを取り入れるメリットを教えてください

フィジカルの面は鍛え続けたとしても、やがて肉体的に限界がくるものだし、トップアスリートレベルにおいては、フィジカルは伸びしろという点で本当に残しどころがないところまで来ているのが現状です。あったとしてもほんの少しの部分で、そこで差をつけるしかないから勝ったり負けたりを繰り返してしまう。

 

一方、メンタルやイマジネーションスキルは体ではなく脳を鍛えるため、時間や場所を問わず日常の中で取り組むことができ、無限の可能性があると思います。もし若手のアスリートが早いうちからフィジカル同様、メンタルのトレーニングを積むことができたら、それだけ伸びしろも大きくなると思いますよ。そういう意味ではすごくメリットがありますね。個人的にはメンタルについて研究すればするほど、格闘技に欠かせないというか、人生において欠かせないことだと感じています。

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若松佑弥選手

慶人さん、若松選手のような世界のトップランカーだけでなく、一般的なアスリートもメンタルコーチングは積極的に取り入れるべきなのでしょうか?

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アスリートメンタルコーチ

慶人

取り入れるメリットは大きいと思います。なぜかというと、本当の課題というのは、なかなか自分で気づけないからです。自分の背中に付いているゴミを自分で見ることができないのと一緒で、人は意識して見られる範囲が限られている。それはメンタルでも同じで「思考のクセ」や「先入観」によって、自らの本質的な課題を見つけ出すことは意外と難しいものなんです。メンタルコーチングによって思考を可視化したり、多角的な捉え方をしたりすることで、本当の課題を見つけることが大事だと思います。

トレーニング例『タイムライン』:過去、現在、未来という時間軸を、実際に空間を行ったり来たり移動しながら、過去の記憶やイメージから自分の中に既に存在しているリソース(可能性)を引き出して、現在から未来に活かすための体感ワーク

今後の展望について

アスリートメンタルコーチングをご自身の未来に向けてどう活用していきたいと考えていますか?

僕自身、アスリートとしてはできる限り現役を続けながら、所属するジムでは指導する立場として、後輩たちにメンタル面とフィジカル面の両方を教えられるようになりたいと考えています。一般的にジムというと、格闘技を教える場所というイメージが強いと思うんですが、僕はそれに加えて、これまで自分が経験してきたことを次の世代に伝えていけるような場にしていきたい。そのためにも、メンタルについてもっと深く学び、実践し、自分の体験を通して伝えられるようになりたいです。

 

格闘技というと、どうしても「野蛮」「野性的」といったイメージが根強いかもしれませんが、それは表面的な印象に過ぎません。本質的には、人としての在り方や内面的な成長が求められる競技だと思います。僕はそういったところを追求して背中で語れるような存在になり、後輩たちが自然とついてきたくなるような人間になっていきたいですね。

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若松佑弥選手

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アスリートメンタルコーチ

慶人

2連敗から4連勝して世界王者になるというのは、そう簡単にできることではないと思います。しかも、ただ勝ち続けただけでなく、「世界一になった」という事実は、ずっと記録として残るものです。その“極み”に到達できたことは、本当に大きな意味を持つと思います。
若松選手は世界チャンピオンとして、これからもさまざまな形で総合格闘技の世界に大きな影響を与えていってくれると思います。さらに今後はUFCなど、より幅広い舞台に挑戦してくれることを期待しています。

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