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Rinya Nakamura

アスリートメンタルコーチング× 総合格闘家 中村倫也選手

総合格闘家 / UFCファイター 中村倫也選手が語る、
TRUNK METHOD®がもたらした自身への影響。
キャリアのターニングポイントで掴んだ「ブレイクスルー」とは?
中村 倫也 Rinya Nakamura
プロ戦績9戦9勝無敗 UFCファイター
埼玉県出身。元レスリングフリースタイル選手。
5歳からレスリングを始め、23歳で世界選手権優勝。
25歳で総合格闘技に転向。
27歳で世界最高峰の総合格闘技団体UFCの契約獲得。
MMA:プロ戦績9戦9勝無敗 2023年Road to UFC優勝
レスリング:U-23世界選手権優勝 2016年・2017年全日本選抜選手権優勝
中村 倫也 公式SNSアカウント
️アスリートメンタルコーチングとの出逢い
中村倫也選手がTRUNK METHOD®のコーチングを知った経緯を教えてください

師匠である美憂先生(総合格闘家の山本美憂選手)から『この前の試合で私についてくれたコーチングの人を紹介したいんだけど、どう?』と慶人さん(※1)を紹介されたことが始まりでした。

 

※1 慶人:TRUNK METHOD®考案者

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中村倫也選手

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TRUNK METHOD®

慶人

山本美憂選手からは、5歳の頃からの一番弟子が、総合格闘技で頑張ってるんだけど、今メンタルがボロボロになってて. . . 何かきっかけになるようなことがあれば、と相談を受けまして、お会いすることになりました。

メンタルがボロボロ. . .どのような状況だったのですか?

当時は格闘家として解決できない問題をいくつも抱えていて、かなりメンタルをやられていたんです。例えば、強豪との試合が控えていて追い込みたいのに、ケガでうまくトレーニングできないとか. . . その他、環境面でもいくつか課題を抱えていて。悶々として、1日に何回も『なんとかしなきゃ』と考えて、ますます不安になってしまって。自分でプレッシャーをかけて、それに自ら苦しめられるような毎日でした。

今思うと、他人から見ても鬱っぽい状態になっていたみたいで. . . 。そんな時、美憂先生から『最近どう?』って連絡が来て、普段なら『全然大丈夫』って答えちゃうんですけど、その時は症状も色々あって『試合前できつくて. . . 』って話をしたんです。そしたら、その翌日くらいに、慶人さんに会ってみないかって連絡をくれたんです。

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中村倫也選手

メンタルコーチングはご存知でしたか?

存在は知ってはいましたが、特に取り入れてはいませんでした。

 

実は慶人さんがコーチングでついていたという美憂先生の試合、僕はそうと知らずに観ていたんですが、すごく印象に残っていて。
前回その対戦相手に負けた経緯があって、今回はどんな展開になるのだろうと思っていたのですが、まるで別人のように攻めの姿勢で戦っていて、その様子に自信を感じて、強く感動していたんです。

 

それで、あの試合の裏で慶人さんのコーチングがあったと知って『こんなにも選手を変えることができるのか』と驚きもありましたし、『とにかく自分を救ってくれ!』という気持ちもありました。

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中村倫也選手

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TRUNK METHOD®

慶人

初めてお会いしたその日に、話だけでなく少しコーチングも実践することになったんですが、中村選手の素直な気質もあり、大きな変化があった印象でした。

いや、一発で変わりましたね. . . 。
マットにあがって. . . 慶人さんと会話しながら、自分の問題の本質について深掘りしてもらって. . . バチッて変わる瞬間を体験しました。本当に一発だったんですよ。

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中村倫也選手

具体的にどんなことをされたんですか?

ドーンと落ちちゃう時の心の動きを再現してみることをやりました。
それは、自分ではすぐに解決できない複数の問題に毎日頭を叩かれているような感覚で. . . 『どうしよう』って感情が襲ってくるんです。それらを紙に書いて見える化した後に、『この頭の中にあった問題たちに、タイトルをつけると何だろう?』って聞かれて、とっさに『嵐!』と答えたのを覚えています(笑)。
そしたら慶人さんに『もし、この”嵐”が倫也選手の”人生のお師匠様”だと考えたら、この体験から何を教えてくれようとしてると思いますか?』と聞かれたんです。

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中村倫也選手

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TRUNK METHOD®

慶人

そうでしたね。リフレーミングという手法になるんですが、その事実を変えるのではなく、事実に対するフレーム(捉え方)をこれまでと違うフレームで見るということを実践してみたんです。単純なようにも聞こえますが、理想を描くだけでは自分が囚われているところに戻ってしまうので難しい。深堀りして俯瞰して、突き詰めていって、捉え方がひっくり返るところまでやるんです。

 

※リフレーミング:物事の捉え方を変え、別の視点でアプローチする手法のこと

冷静に考えたら、自分がUFCのチャンピオンを目指す過程で『嵐が来るからチャンピオンになるのをやめます』とは絶対にならない。
だって、これまでみずから望んで嵐に突っ込んできたわけだから。
そうしたら、格闘家として今後勝っていくために必要な心構えというか、メンタルをどう持っていくかのヒントがいっぱい詰まっていることに気づけたというか、すべて自分がチャンピオンになるために必要なものだと受け取り方を変えることができたんです。

その瞬間、余計なストレスやネガティブな思考がパーン!と飛んで、すごくクリアになりました。それからは問題が起こっても『嵐が来た』じゃなくて『師匠!押忍!』みたいな。笑
信じられないぐらい、ガラッと感覚が変わりました。

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中村倫也選手

実際にはどのような効果がありましたか?

まずはオープンマインドになったというか、受け入れられることの範囲が増えて、格闘技のスタイルにも直結して、それまでは嫌な攻撃には『嫌だ〜』って固まっていたのに、色々なスタイルにもチャレンジできるようなりました。
本当に心と身体ってつながっているって実感しました。内側が整っているって、こんなに元気でいられるんだって思いました。

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中村倫也選手

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TRUNK METHOD®

慶人

課題に対して対処的に『こうした方がいい』というティーチングではなく、相手の状態から本質的な課題を見つけて解決策を引き出し、ブレイクスルーにつなげるコーチングを行うので、中村選手のように一度突破口が開けたら、連続的にほかの課題も解決していくことが多いです。

僕は身をもってそれを経験しましたね。以前はストレスを抱えながらガムシャラに頑張っていましたが、トレーニングするたびにぜん息や蜂窩織炎など、いろんな症状に見舞われていて。

 

でも、試合前の追い込む時期に練習を休んだら絶対負けるって考えてしまうから、その怖さを払拭するためにはひたすら練習するしかない。そうしたらどんどん症状が悪化していって. . . . . . と完全に悪いスパイラルに入ってしまってたんですよね。それを、セッションのときに慶人さんから『体を動かしているのは、試合への恐怖を一時的に抑えているだけじゃない?』と指摘されて、ハッとしたんです。本当にその通りだなと。

 

正直なんとなく気づいてはいたんですけど、アスリートの世界って『毎日体を動かし続けて練習しないと弱くなる』とか『1日休んだら取り戻すのに3日かかる』という言葉があるように、休むのは悪いことっていう考えがメジャーなんです。自分も含めて体を休めるのに抵抗のあるアスリートが大多数だと思います。

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中村倫也選手

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TRUNK METHOD®

慶人

そうですね。メンタルコーチングを入れるメリットとして大きいのは、頭の中で明確な設計図を描くことでフィジカルトレーニングの効果が高まるということ。
その設計図を描くために、何度も何度もシミュレーションを行います。

 

フィジカルやスパーリングひとつとっても、明確な課題を持って臨むことで効果が違ってくる。負けるイメージをすることをタブー視せず、自分が負けると思うシチュエーションに対しても、その要因を一緒に分析して、徹底した準備を行っていきます。

 

何回も身体を動かしながら、リアルなシミュレーションを行うことで、対策をじっくり練る。それが結果的にフィジカルでの効果的なトレーニングに繋がり、本番もリラックスして臨めるようになっていくと考えています。

シミュレーションには差があるものですか?

シミュレーションそのものは、これまでもやってはいたんです。
でも自分にとって嫌な攻撃のイメージが浮かんだら目を背けたり、都合のいいように変えてシミュレーション自体を終わらせて『嫌な攻撃』自体は深追いしていませんでした。
慶人さんとのシミュレーションはその目を背けてしまいがちなところを直視して、向き合って、そこから宝物を拾い集めるような感じがあります。

 

試合が行われる現地のホテルからも、オンラインで慶人さんとつなぎながら行いました。
一試合分を最初から最後まで、相手が出してくるあらゆる攻撃パターンを想像して、それにどう反応するのかを徹底的に繰り返しました。反応ができなければもちろんやられるわけですけど、慶人さんに『想像の世界なら何回負けたっていいんだよ』と言われて楽になりましたし、これがダメなら次は. . . と、相手の攻撃に向き合うことができるようになりました。

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中村倫也選手

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TRUNK METHOD®

慶人

自分の得意技が通用しない、手持ちのカードがもう無い時に、次何があったら勝てると思うのか?それをシミュレーションして、Bプラン・Cプランの用意まですると、使わないとしても確実に余裕が生まれていく。そんな姿を目の当たりにしてきました。

ある時を境にシミュレーションでも『これは勝てるな』と明確に思えるようになって。その根拠を聞かれたら『この攻撃がきたときに前はこう思っていたんですけど、今はこうすればいい』と言葉で説明できるようになってからは、実際の練習の質もぐんと上がりました。
勝つためにする練習ってこういうことかと、心から納得できました。

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中村倫也選手

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TRUNK METHOD®

慶人

このシミュレーションのような内容で、戦略を練ることができている選手は、実は少ないのかもしれませんね。

そうですね。意外かもしれませんが、戦略や駆け引きって、選手が自分自身で考えている人も多いんです。もしくは誰かと取り組んでも、得意なところを伸ばすアプローチにとどまることも多い印象があります。

 

慶人さんのメンタルコーチングは、一生もの。設計して準備できるよう導いてくれるのですが、結局は自分で答えを出す力を付けてくれている。こんなコーチングはなかなかないと思います。

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中村倫也選手

アスリートのメンタルコーチングの可能性
アスリートの世界でメンタルコーチングを活かすにはどうしたらいいでしょうか?

メンタルコーチング️って、格闘技だけでなくほかのスポーツにも応用できるものですし、現役後のセカンドキャリアを通してもずっと応用がきくものだろうなと思います。まずはそこを世の中のアスリート達に気づいてもらって、人生のタイムラインに取り入れてもらえるような仕組みを考えられたらいいですね。

 

格闘技界でいえば、体を鍛えるというより、もっと根源的な部分である『心』を強くするメソッドとして活用していきたいです。
格闘技に限らずスポーツって、みんな最初は好きで始めると思うんですけど、本格的に続けていく人ほど勝負へのプレッシャーだとか、練習を休むことへの恐怖心なんかで、メンタルに問題を抱えやすい。メンタルコーチングはそうした悩みを抱えている人も輝きを取り戻せる方法だと思います。

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中村倫也選手

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TRUNK METHOD®

慶人

中村倫也選手がメンタルコーチングを通して夢を実現していくことで、世の中に対してひとつのモデルケースになってくれるのではないでしょうか。それをきっかけにいろんなアスリートがメンタルコーチング️を知って、結果を出して . . . 。そういう人たちがチームになって、どんどん発信していくというムーブメントが起きれば、アスリートにとってのメンタルコーチはいつか当たり前になる。
そうなれば、次世代の子どもたちが日本を飛び出して、もっともっと世界で活躍できるようになると思っています。

UFCデビュー戦を勝利で飾った中村倫也選手

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